JSiES研究会#1

http://www.elc.or.jp/news_release/nr005.html
研究会に参加。熊大の発表もあり、常連さん(失礼!)の発表もあり、また新しい発表もあって、楽しめた。興味のわかない発表の間は内職しようと、朝マクドナルドで読んでおきたいソースのアーカイブをダウンロードしておいたけど、ほとんど見ずじまいだった。BackupでひっこししたKeychainのおかげで、何も設定していないのにMacBookでちゃんとmobilepointにつながった。すばらしー。
 
熊大の発表は、専攻の立ち上げにあたっての準備プロセスからオリエンテーション科目の実施状況など、普段受講していても見えるはずもない裏側のストーリーを聞くことができた。他の発表でも、とくに印象に残ったのは、音声コンテンツの発表と講義映像をVOD化した事例、年代別受講メニュー、英語学習のための支援ツール。
 
音声コンテンツは、「ラヂオは、これまでの長きにわたって、どうやって惹き付けるコンテンツを作ってきたのだろう?」「ずっと中身を聞いてもらえるための構成は、映像よりも音声の方が難しい」「音の演技」といった視点で、いろいろな分析を紹介してくれた。
講義映像のVODかは、制作会社の人の発表で(去年も発表があり、興味深いものだった)発注者からの指示で、黒板でやっているリアルの授業を収録したもので構成したとのこと。最初は驚いたが、やってみたら結果はOKだった。その要因はというと、学習者のモチベーションが高かったから。板書が見える映像クオリティだったということも挙げられるが、なにより前提条件として、・学習意欲があり、・ゴールが明確(資格取得)で・期間もそう長くない・そこそこ知識習得についていっている という、すでに相当モチベーションが高い集団に対して適用したということがいえるだろう。
 
年代別受講メニューというのは主題ではなく、「数式表示可能な数学のe-ラーニングシステムの構築と実践」というテーマだったのだけど、その中で紹介された「年代別受講メニュー」というのが、また面白かった。学習指導要領の変遷を表にされていて、年代によって学んでいる内容が違うとの指摘。そして、年代を選ぶと、学んだ(はずの)ことと学んでいないことがわかるので、学習メニューもそれに応じて提供できるというわけ。一種の事前テストのようなものともいえる。そして、最近の子供が学んでいる領域が、ずいぶん小さく少なくなっていることにも驚いた。
この発表の中でも、コンテンツ中に映像を入れる試みが紹介されていて、板書している様子を映像化していた。そして、板書の行為を映像としてみることで、そのスピードや書き順もわかり、「あぁ、複雑に見えて結構かけるものかも」といった気付きを促す効果もありそうだとの分析を述べられていた。テキストだけで、分量(ページ数)があるコンテンツより、あいだあいだに動画が入っているのもメリハリがあっていいな。
 
「学習サイクルに基づく英文読解学習支援システムの開発」では、題材自体自分で興味のあるもの(Webページ)を探してくることができ、そこ(Webブラウズ)から、読解、テスト、復習のサイクルをまわせるように統合された学習ツールで、完成と発展が楽しみ。読解モードはネット辞書と連携してブラウズ画面からの取り込みができ、引いた単語の一覧が辞書引きペインに追加されていく。この部分だけでも使いたいなーと思った。引いた単語の履歴、繰り返し引いている単語、読んでみた記事などが履歴として蓄積されると立派な学習ノートになる。
 
そんでもって、研究会主催の懇親会があって、2次会熊大ナイト#1。科目の苦労話から受講テクニックのようなことまでいろいろ話をした。どうもまだやっぱりというか、科目毎セクション毎にカッチリカッチリWebCT上の学習ブロックはくまれており、テーマ外のことも話ができるスペースがあるといいなという話にもなった。WebCT上にディスカッションを追加してもらうのも手だし、MLとか、SNS上にコミュニティって手もある。